| リュウさんのレース完走記その10 |
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| 日米親善トライアスロン体験記 2002年8月18日 |
| 日米親善トライアスロン体験記(スイム編) 「タイガさん、ファイト〜ッ!」。ゼッケン番号774のタイガさんが目の前を泳いでいる。今日のレース方式はゼッケン番号の若い順にプールに入り、7秒おきに1コースからジグザク進む。オタツマさんは340番で、我々より随分前にスタートしていた。私は945番、はじめは1110番、プールサイドでスタート待ちをしていた。タイガさんは数日前に左腕にひびが入り、故障中。スイムも腕が思うように延びず痛々しかった。それでもベストを尽くそうという姿勢に胸が熱くなる。応援しているうちに燃えてきた。が、この鼻息の荒さが「とんでもない事態を招くことになろうとは!」(←TBS『ガチンコ』のぱくり)。 「950番までの選手、どうぞ!」。スタートラインへのゲートインだ。「じゃ、行ってくる」とはじめに別れを告げる。脚にマジックテープでセンサーをつけ前へ進む。ポリバケツに水が汲んであり、これを入水前に浴びる。ホースから流れる水道水をためたこのバケツの水が冷てえの何のって、もう真冬のがまん大会状態。気温も低く、体が震えた。数人前の選手が曇り止めのためにゴーグルをプールにつけている。私も水温を確かめたく、ゴーグルをぽちゃり。プールの水はさほど冷たくなく、安心。これなら大丈夫と闘志が高まる。「ピッ、ピッ、ピッ、ピ〜ン」。時報のような音を聞きながら、7秒おきの係員のゴーサインでプールに一人ずつ飛び込んでいく。さあ、私の番がきた。「はい!」というスターターの合図とともにプールにボチャン。壁を蹴って、泳ぎ出した。最初は、後続の選手がプールサイドで行列しているすぐ近くの1コースを泳ぐ。はじめも当然私を見ている。自ずと力が入ってしまう。いつもより速いペースでクロールをする。最初の50mで直前の選手を抜いたあと、折り返し2コースを調子に乗って飛ばしていた。100mは問題なく泳いだ。ところが、である。3コース、つまり100mを過ぎたあたりから何だか無性に呼吸が苦しくなってきた。何かがおかしい。空気が腹にたまり、いっぱいいっぱいで喉が突き上げられるようだった。「あっ!息吐くの忘れてた!」。出たあ、昔の悪い癖。水中で息を吐かないで、吸いっ放しで泳いだので腹がパンパンになってしまった。気がついて、息を吐き始めるが、時すでに遅し。もう、どうにもならなかった。「うげえ、苦しい」。目の前がちかちかしてきた。それでもなんとか150mは折り返した。4コースに入ると思いきり失速し、沈没船が波に漂うかのようであった。すぐ後の選手が軽く私を交わしていった。 4コースの真中で立ち泳ぎ状態。まずは、呼吸をする。そして、すぐさまクロールを諦め、平泳ぎに。それでも空気は出ていかなかった。泳いでいるときは、ゲップができないということにはじめて気がついた。たとえるならば、シャンパンのように栓をしたまま、圧力が思いきりかかった状態。腹が破裂するかと思い、このとき本当に棄権しようかと思った。(はじめに見られてるだろうなあ。ああ、格好わるっ!) 平泳ぎをしたものの腹の圧力はおさまらない。苦しくて息を吸うことすらできなくなってきた。「もうアップアップだよ」ってのは、こういうことをいうのだと実感。窒息死しそうだ。苦し〜いっ。がむしゃらに平泳ぎをして、急場を凌ぐ。あと50mまできた。息を止めたまま数百m泳いできたような感じ。もう限界に近い。スイム最後となる8コースは観客の声援するプールサイド至近を泳ぐ。格好を気にしてか咄嗟にクロールに変更。ばちゃばちゃ泳ぐ。25mでギブアップ。再び平泳ぎへ変更。もんどり打って、400mをなんとか完泳。はしごをつたって、プールから脱出することに成功した。前日まで、家族や友人に「18日は俺の命日。死因は溺死。線香あげてくれよな」とか言ってふざけていたが、まじでヤバかった。生きてて良かったよ、ほんとに…。 (トランジット編につづく) 日米親善トライアスロン体験記(トランジット編) ほんと気絶一歩手前でスイムを終えた。プールから上がったが、まるで戦意喪失状態。ヘロヘロで脚が前へ出ない。手形のある計時マシンに手を置く。「ピーッ!」という音がスイムの終わりを告げた。さあ、バイクトランジットへ向かわねば。オエ〜ッ!ゲップどころではない。これは、まさに嗚咽。ゲロが出ちゃう感覚だったが、出てきたのは空気。オエ〜ッ。よろよろ千鳥足で空気ばかりが口をはいて出る。まだ苦しい状態が続く。よろよろフラフラしながら100mあまりを走り、自分のバイクに辿りついた。さて、バイクの袂に置いてあった着替えの入ったビニル袋からまずはヘルメットを取り出す。この時まだ気持ちが悪く放心状態。ヘルメット装着、シューズを履く。さて、あとはランシャツとウェストバッグを身につけバイクスタートだ。ありゃあっ!大失敗!ヘルメットを先にかぶっちゃったので、シャツが着れない。ランシャツの首の部分にすっぽりと白ヘルがはさまり、外から見たら何とも滑稽だったに違いない。それでも通るかどうか、思いきりシャツを引っ張る。バイクのヘルメットというのは意外とでかい。通るわけがない。仕方なくシャツを脱ぐ。ヘルメットのバックルを外し、イチからやり直しだ。急いでランシャツを着る。バリバリッ!ありゃあ…。今度はゼッケンが破れてしまい、ダラ〜ン。これには、かなりへこんだ。周囲の人は次から次へとバイク片手に飛び出していく。ここで多くの人に抜かれた。私は開き直った。落ち着いて、ゼッケンをクリップでゆっくりとつけ直し、ウェストバッグを装備。最後にヘルメットをかぶった。が、今度はバックルがあご当てに入っちゃって出てこない。「だめだ、こりゃ」(byいかりや)って感じ。ヘルメットを再度脱ぎ、これもゆっくりと処置した。仕上げにサングラスを装備。小雨の降る中、初のバイクレース20kmがスタートした。 |