リュウさんのレース完走記その7
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富里スイカマラソン    2002年6月23日
富里すいかマラソン(走るまで編)

朝5時半に草加市内の自宅を出発。今日の運転手はグロちゃん。自衛隊員で、私の遊び友達だ。彼は第一線を離れてしまってちょっと運動不足。この大会参加を機に、2カ月ぐらい前からちょこちょこ走ってきた。そして、もう一人の同乗者は私の妻のチーマン(チーサンとも)。彼女はまだ3キロを2回しか走っておらず、ほとんどぶっつけ本番。すいかにつられて5キロを申し込んだというから驚きだ。(ちなみに、私は勧誘しておらず、知らぬ間に自分で申し込んでいた)

さほど渋滞もなく、するりと会場正面の駐車場に入れた。やはり、早く来るに限る。田舎の空気は澄んでいて心地良い。今日は曇っていて涼しい。この季節でこの涼しさは絶好のラン日和だ。このままの陽気で一日が過ぎればいいなあなどと思いながら、会場へ歩く。駐車場を出ると、いきなりトラックでメロンやすいかが売られており、ランナーが試食に群がっている。私もいまは買う気などまったくないのにメロンを試食。グロちゃんとチーマンはノリきれず(朝なんでノリが悪いのか?)道路の向こう側にそそくさと渡り、白い目で私を見ていた。

まずは受付を済ませ、テナントを物色。無料のエスカップを飲み、5本指靴下を購入。おおっ!福引があるではないか。一等はすいかセットだ。思わず100円を払い、ガラガラガラ。白玉にて「はずれ」。参加賞のすいか一切れをもらい、かぶりつく。グロちゃんとチーマンは、「またかよ」って感じでこっちを見ている。「やれば?」と聞くと、二人そろって「やらない!」と冷たい返事。まったく白けてるぜ、ベイビー(ちと、古すぎたか)。

ほどなく、ゴンちゃん一家、アキさんに合流。富里中学校の校庭にある木の下に座り、しばし休憩。すかさず、ゴンちゃんと私は「行きますか」とばかりビッグ・ベンへとランデブー。そういえば大凧ハーフのときも一緒に出かけた。これぞ、まさに運命の友達、略してウンダチだ。はてさて、今日のスタートは、距離別、年代別。チーマンが9:40、ゴンちゃん、グロちゃん、私が10:10。アキさんが10:50だ。パラパラと雨が降ってくる。荷物をすべてゴンちゃんテントに格納する。9時を過ぎてゴンちゃんと私がアップに出る。当地に慣れているゴンちゃんは裏の公園を案内してくれた。

いい気持ちでジョグしていたのに、またも汚れ系事件が…。ゴンちゃんと私は、なぜかここでも連れショ○。公園のお手洗いに直行した。並んで「小」をしていると、後でモソモソモソモソと音がする。何気なく振り向くと、な、な、なんと、二つある個室の一つの扉がない(ちなみに和個室)。それだけならまだ良かったのだが、そこで堂々としゃがんで気張るランナーが一人…。白い桃をこちらに向け、(安定しないのか)片手を壁につき「ちょっと待った!」という風体で力む勇姿に、私は度肝を抜かれた。私とゴンちゃんは笑いをこらえながら厠を飛び出し、再びウォームアップへ。「中国みたいでしたね」と私。「ハワイでも扉なかったよ」とゴンちゃん。「でも、和ですよ和」。「これ、絶対掲示板行きだね」。顔を見合わせて笑いながら走った。

軽く流していると、園内に咲く紫陽花の鮮やかな色が目に飛び込んできた。これが実に美しい。先ほどの光景と比べれば…(そんなもん比べるなっつうの!)。雨露に濡れた緑の芝と赤紫、青紫の花のコントラストが最高にきれいで、思わず「いいですねえ!」と唸ってしまった。マラソンを始めて良かったこと、それは日々異なる草花や景色を楽しめること、草萌ゆる香を堪能できること。私は、それが一番の楽しみだ。ちょっと先では、ゴンちゃん一家が遊ぶ。記念写真を撮るご家族の前を通り過ぎ公園を後にした。

このあと、側道でダッシュを4本。「足をスピードに慣らしておいたほうがいいよ」とゴンちゃん。このダッシュでいい汗をかいた。「走る」という感覚に体が目覚めていくのを感じる。良い練習。今までにない心地良い刺激。一気に目が覚めたという感じだ。こうした小さいことを一つひとつ勉強できるのも「走り屋」の特権。いろいろ教えてくれたゴンちゃんに感謝しつつ、これからはじまる「10K自己ベスト挑戦」に向けて俄然鼻息が荒くなってきた。

 校庭に戻ると、チーマンはいなかった。すでにスタート地点に向かったようだ。少し早かったが、私とゴンちゃんも5キロのスタートを見送るために足を運んだ。スタート地点はすでに多くのランナーが今か今かとカウントダウンを待っている。

 「パンッ!」。軽い銃声とともに、5キロランナーが走り出した。チーマンはオレンジの帽子を被っているはずだったが、余りのランナーの数に私もゴンちゃんも発見できなかった。ちなみに今回は1万人近い人が走るそうで、これは過去最高とのこと。やはり、すいか食べ放題が魅力なのだろうか。とにかく人、ひと、ヒトである。

 さて、いよいよ私とゴンちゃんもスタート地点に立った。最前列から3メートルほどのところに陣取った。靴ひもを締めなおす。前回、ひもを締め過ぎて怪我をしたので、ちょっとだけゆるめにした。その加減が難しく、何度か結びなおしスタートを待つ。「この大会を結婚式とするカップルが走りま〜す!」のアナウンス。並んでいる参加者から割れんばかりの拍手が起きる。「花嫁はウェディングベールをつけて走るそうで〜す」。雰囲気が俄然盛り上がってきた。時計を屋根上に配した先頭車が位置につき、カウントダウンがはじまる。心臓の鼓動が高まる。毎度のことながら、レース直前の緊張感は日頃の生活にはない新鮮なものだ。…「10秒前!」。「パンッ!」。軽い銃声とともに、私たちは初夏の涼しい田舎ロードを走り出した。
(富里すいかマラソン「挑戦編」につづく)


富里すいかマラソン「レース編1」

今回のレースはサロマ100キロ1週間前のゴンちゃんが調整を兼ねて、私の自己ベスト更新をリードしてくれるとのこと。とはいえ、私のスピードはゴンちゃんにとってはのろまなカメみたいなもの。調整とはいえゴンちゃんにだって一参加者として自分のペースで走る権利があるはず。さらに、初サロマを考えれば伴走どころじゃないはずだ。のろまなカメに付き合ってくれる有り難さ、嬉しさを、私は前夜からかみしめていた。何を隠そう布団の中で「明日はゴンちゃんの壮行ラン。自己ベスト更新は必須課題!」と心に決めて床についた。(10Kベストは、先日の駅伝で43’14”なので、43分ぎり目標)

 スタートして、まずは自分なりのペースで走る。「リュウさん、早いよ!」。毎度のことながら、気をつけていながらも早足になってしまう。前のほうに並んだせいか、周囲はがんがん飛ばしている。どんどん抜かれる。「この人たち最後までもたないから、ついていっちゃだめだよ」とゴンちゃん。「はい」と答え、少し抑えて走ったものの1キロ目のラップは3’57”。やってもうた、めっちゃ早過ぎ。大勢の人に抜かれたにもかかわらず、このペースか…。これじゃ、最後までもたない。とはいえ、ウォームアップが良かったのか、今日は序盤から体がよく動く。苦しいレース展開は微塵も感じられない。

2キロ目は4’05”。すかさず「リュウさん大丈夫?」とゴンちゃん。調子は良いが、先は長い。そのことをゴンちゃんは冷静に見てくれていた。ちょっとだけペースを落とす。それにしても抜かれる、抜かれる。落ちてくる人は誰一人いない。ゴンちゃんには「前半は4’30”ペースで、後半上げたほうがいいんじゃない」とレース前に言われていた。がしかし、いま4分そこそこで走り出し、おまけに、抜かれまくって自分だけ失速しているような錯覚状況下で大胆にペースを落とすことはできない。ゆっくり行けば後半勝負ができる、そう頭でわかってはいるものの、いまのペースで行けるところまで行っとけ、とばかり飛ばしてしまう。走り出すと盲目になってしまう。これは、なんといっても後半までスタミナを残せる自信がないのである。(ただ単に辛抱が足りないのかも)。

3キロ目は4’15”。やはり、まだ早い。このペースで行くと42’30”でゴールでき、ベスト更新だ。しかし、最後までイーブンで行けるかは未知数だ。ふと足元から前方に目を移すと、私を抜いて行ったランナー達の隊列が田舎の一本道に蛇のようにうねって見えた。ここで、一回目の給水。ペースを落とし、ごった返す給水所のランナーの隙間からコップを手にしたが、一口含んで終わり。涼しかったせいもあり、ここはスルーしても良かったかも。タイムだけが気になる。ゴンちゃんは手前で給水所の状況を見極め、ぐんとスピードを上げランナーのいない奥のテーブルから難なくコップをとっていた。「そうか、早いランナーはああするんだな」と新発見。この直後、ゴンちゃんは後ろを振り向いて私がペースを戻すのを足踏みして待っていた。それだけ差がつくのだ。小さなロスタイムを減らすことも重要だなあ、とつくづく思った。

コースは概ね平坦な一本道。陽射しもなく、整備された田舎道は快適だ。時折、畑の肥料の匂いがする。ここまでゆるやかなアップダウンがあったが、さほど気にはならず快適に走ることができた。

4キロ目、4’17”。このあたりから、「戦い」がはじまった。少しずつ呼吸が乱れはじめる。これまで苦しいと言えば、足が疲れて重たくなり前へ進まないことばかりだったが、今日は違う。10Kなので足は比較的元気なのだが、心肺機能が一杯状態。これもまた違った苦しさである。ハアハア言いながら黙々と走る。正直言って、一人ならここで4’30”ぐらいに落として楽に走ってしまうところだ。こうした弱気な考えが時おり頭をよぎるが、伴走してくれるゴンちゃんを思うと妥協はできない。「リュウさん、ファイトファイト!」。ゴンちゃんの檄が飛ぶ。顔をしかめながらも、「ハイ!」と元気良く答える。ハア、ハア、ハア。すでに情けない顔。路地を左に90度曲がり5キロ地点。5キロ目、4’19”(スプリット20’53”)。このまま行ければ良いのだが、後半を計算する余裕などまったくない。ひたすら、走る、走る。2回目の給水を終え、本当の挑戦がいよいよスタートした。
(富里すいかマラソン「レース編2」につづく)


富里すいかマラソン「レース編2」

5キロ地点を過ぎると、すうっと後から細身の招待選手の女性(名前わからず)が上がってきた。すかさずゴンちゃんが声をかける。「こんにちは」から始まり、いろいろと話に花が咲く。私は挨拶すらできないほど、ハアハア状態。楽しい会話が聞こえるが、加わることができないもどかしさ。爽やか系の子で話をしたいのだが、とても余裕がない。口も聞けないほど自分を追い込んだのは、このレースがはじめてだ。そして、ついに弱気な言葉が口をつく。「ゴンちゃん、さき行って。気にしなくていいから…」。会話に加われないにもかかわらず、こういうダサイ言葉はきちんと言えるのだから、まったく自分がイヤになる。「なに言ってんだよ。そんなことじゃ自己ベスト更新できないぞ」。ゴンちゃんから怒りの言葉が飛ぶ。その語気の強さで、初心に戻る。挑戦を捨てようとするなんて、なんと恥ずかしいことを…。気を取り直して走る。自分に対して悔しさを露にする。招待選手は「がんばってくださ〜い」と言い、前方に走り去っていった。

6キロ目、
415”。再び、給水。ひたすら走る。スタートしてからゴンちゃんが1キロおきに言ってくれる「いいペースだよ。その調子、その調子」という言葉が嬉しい。給水所でとったスポンジの水をうなじにかけ、私は再び元気を取り戻した。

7キロ目、419”。もう汗だくだ。毎度のレースで、私はヒートアップした体を給水所の水で冷ましている。そのため、頭から足までビチャビチャだ。周りを見ても、こんなハチャメチャなランナーは他にいない。だが、格好なんかはどうでもいい。自分自身ともんどりうって格闘中の私には、他人の目などどうでも良かった。とにかく目標達成だ。そのための最短距離が「ずぶ濡れラン」なのである。前方にシャワーを発見(といっても、ランナーが一瞬この下をくぐるだけだが)。ゴンちゃんに「行ってきます」と言い、シャワー下へ。やはり、真夏は「水」に限る。飲んでも、浴びても最高に気持ちがいい。また蘇る。レース中は心にいろいろな波が打ち寄せる。弱気な波に襲われたときに「水」は格好のリフレッシュメントだ。一レース中で、私たちは何度水に助けられることか。本当にありがたい。

8
キロ目、419”。少しペースが落ちてしまった。自分でも落ちたのがわかる。だが、どうにもスピードを上げるきっかけがつかめないで腐っていた。活気なく走る私を見て、ゴンちゃんが「苦しいのはみんな一緒。リュウさんだけじゃないよ」と言った。この言葉が私にとって大きな起爆剤になった。はじめて周囲の人に目を配る。見ると、みな苦しそうだが一生懸命走っているではないか。どの人も黙々と自分に挑戦しているのだ。「よっしゃあ!」。思わず唸り、スピードを上げる。すかさずゴンちゃんから「こんなところで飛ばしちゃダメだよ」との警告が。「リュウさん、リズムを崩しちゃダメだよ。いい感じでここまで来たんだから」。ゴンちゃんはつづけて「イチ、ニ。イチ、ニ」と口で調子をとってくれた。私もこれに応じ歩調を整える。レースでは、時折ふと意欲が上がることがある。これまでは、その度ごとにペースを上げ、反動で失速していた。今日はゴンちゃんの指導どおり抑えて走ると、スムーズに足が運んだ。

コースはいよいよ終盤。ゆるやかで長い下り坂に入る。同時に右側のテントの給水テーブルの奥にずらりと「給スイカ」が。このマラソン大会は、ただ来場者にスイカをふるまうだけではない。「給スイカ所」なるヘンテコな場所を作り、マラソン中のランナーに支給するのだ。私はここで給水だけ受けた。周囲にもスイカを食うランナーはいない。ずらりと並ぶテーブル上のスイカも誰かが取った後など一つもなかった。ゴンちゃんだけが前方で給スイカを受け、スタッフに喜ばれている。私は、給スイカ所のおばちゃんたちに思わず「食えねえ〜っ!」と叫んでしまった。「食えないってさ!アハハハハハッ」。おばちゃんたちは馬鹿ウケだ。テントを後にすると、前方を走るゴンちゃんが振り向きざまに「リュウさん、はいっ!」とスイカを差し出してきた。ゴンちゃんは両手にスイカを持ち、右手のスイカを食い、左手を私に差し出している。「無理無理!食えないっすよ!」と答える。すると、ゴンちゃんは両手のスイカを高らかに掲げながら、沿道のおばあちゃんたちに「イェ〜イ!」とか言って盛り上げている。余裕ばりばりだ。この一連の出来事のせいで私は9キロ目のラップを取り損ねてしまった(おそらく給スイカ所のあたりが
9キロだったと思うのだが…)。

長い坂を下り終えたところでしばし平坦な道となる。
10キロの表示が近づく。「リュウさん、10キロだよ」とゴンちゃんの声。「はいっ!」と答えると同時にスパートをかける。10キロ地点までの2キロで830”(スプリット4216”)。なぜ、10キロがスプリットなのか。実は、この富里すいかマラソンは10.6キロなのだ(私はこのことをレース直前に知った)。つまりゴールまでは、あと600mを走らなければならない。さあ、最後のひとふんばりだと走り出すと目の前には急な上り坂が…。失速しないように手を大きく振って走るが、スピードが上がらない。あとちょっとなのに何でだよ〜っ。「リュウさん、ペース落ちてるぞ。ラストラスト!」。ゴンちゃんは前方で後を振り向きながら私に喝を入れる。鬼の形相で足を動かす。左沿道でカメラクルーが乗り出して撮影している。その真前を通過する。やっとのことでこの坂を乗り切った。あと少しなのは十分わかっている。道は直線で平坦だ。あれ、スピードが出ない。懸命に走るも、どうにも足が重たく動かないのだ。一気に両脚の乳酸値が上がったようだ。それでも必死に走る。左側にゴンちゃん一家を発見。皆で応援してくれている。なんともみっともないスピードで、その前を通過し、ラストランへ。道路からゴールのある富里中学校へ入るとすぐにアーチが見えてきた。よし最後の意地だ。ウォォォォッ!と心の中で叫びダッシュ。数人をぶち抜いて、私の挑戦ランは幕を閉じた。
(富里すいかマラソン「お帰り編」につづく)


富里すいかマラソン「お帰り編」

フィニッシュラインのアーチをくぐり、まずはゴンちゃんと両の手で握手。「ありがとうございました!」と言うも息切れして声があまり出ない。すかさず「オエ〜ッ」とくる。最後にダッシュすると必ずくるお決まりの嗚咽。これも奮闘の証?。軽くジョグして凌ぐ。チーマンがカメラを構えてパチッ。へばった情けない顔をとられてしまった。まずは1043分ぎりは達成できた。それは良かったのだが、今日のレース自体はお世辞にも納得のいくものではなかった。途中で諦め半分になったこと、とくに10K以降の600mは気持ちが萎えてだらだらランになってしまった。強烈な後味の悪さが残る。できれば最後まできっちりと走れば良かったと、後悔の念が残る。

複雑な心境でクールダウンしていると、途中で出会った招待選手が、オレンジのジャムジー(高橋尚子のあれ)を着た積水科学の選手数人と談笑する場に出くわした。思わず「先ほどはありがとうございました!」と御礼を言う。その選手はすぐに私のピンクのランシャツを見て、「あ、どうも。お疲れ様でした」と答えてくれる。走り屋のような度派手なシャツのランナーはそうそういないので、先方も私のことをすぐに思い出してくれたようだ。やっと話せた〜っ。結構かわいい。ゴンちゃんはさぞ楽しかっただろうなあ。「チーム走り屋?すごい名前!」と同僚の選手たち。ずぶ濡れの汚れ系リュウは、なんじゃこのおっさんとばかり面白おかしい格好のネタと化していた。みな、とても爽やかで溌剌とした女性達だった。

すぐさま給水所へ向かう。麦茶をかけつけ3杯。うまい!。夏はやっぱり麦茶だ。汗がドバッと出て、またまた自爆的ずぶ濡れに。「あれ?スイカがどこにもないぞ」。係員に聞けば、スイカはゴールから数百メートル離れた選手受付テントにあるとのこと。チーマンと二人で、てくてく歩く。「本日このレースを結婚式とする二人はまだ見当たりません。皆さん、二人がゴールする際は盛大な拍手を!おおっと、その前に白鳥がゴ〜ルインッ!」。馬鹿げた実況に走り終えたランナーたちが爆笑する。ほどなく給スイカ所に到着。両手にスイカをもらい、かぶりつく。これが、うまいのなんのって。いつもスーパーで買うスイカと違い、白い糖質が赤い部分すべてにしみわたっているのだ。甘くてシャキッとしていて何とも言えずうまい。このスイカ、ランナーだけでなく来た人はすべてもらえる。約
50メートルにわたるテント下のテーブルには無数のスイカが並んでいる。まるで、赤い帯のようにみえる。「志村けんみたいに早食いしてみようか」と言うと、係員のオバチャンや女の子が爆笑していた。ここで、1/4玉ぐらいは食べてしまった。ああ、満足。こりゃ、いいレースだ。来年は、家族親戚総動員で来ようと思った

さて、アキさんの応援のためにコースに出向く。たくさんのランナーが走っている。チーム全員同じユニフォームでファンランを楽しむ人、太っているが一生懸命に走る人、とにかくいろいろな人が走っている。それぞれの人が思い出を作って帰るんだろうなあなどと考え、一人で感動してしまった。アキさんのピンクシャツが視界に入ってきた。まずはパチリと写真を一枚。「アキさん、ラスト!ファイト!」。並走して励ます。アキさんは「きついよ!」と一言いい、ゴール方向に走り去っていった。

今回のレースを回想すると、課題は山積だ。来年は最後まで気を抜かずに走りたい。そして、坂道に強くなりたい。同時に、あと一歩というところでの精神的な強さも身につけたいものだ。兎にも角にも、ゴンちゃんには感謝の気持ちでいっぱいである。当初の目標である
10K43分ぎりを達成できたのは、ゴンちゃんの伴走があったからだ。このレースで自分の弱い部分もたくさんわかったが、逆にやればできる自分にも気がつくことができた。「自分で限界を作ってはいけない」。かんさんがいつか教えてくれた言葉が脳裏でこだまする。タイム狙いの挑戦は辛いが、言い知れぬ醍醐味がある。走り終えた後の爽快感、解放感がなんとも言えない。私は、これからも自分への挑戦を続けていきたい。

ゴンちゃん、今回のご好意一生忘れません。本当に思い出深いレースとなりました。
1040分、かならず達成します!」。
そして、「サロマが素晴らしき思い出となるよう、心から応援しています!」

富里すいかマラソン走録 おわり。