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| 第5回北丹沢12時間山岳耐久レース完走記 2003年7月6日 |
| 北丹沢報告 @序章 走り屋代表(本人はそう思っています。)として参加した『北丹沢12時間山岳耐久レース(長いタイトル)』の報告をします。今後参加される方にとって少しでも参考になれば幸いです。(といっても毎年コースは変わるようですが…) そもそも全行程43.86km、制限時間12時間、3箇所の峠越え、というちょっと常識では考えられない内容のレースに参加しようと決めたのは、出場する気になった『奥武蔵』に締め切られ、7〜8月のレース参加予定がなかった時、参加出来なかった大会での走り屋メンバーの活躍をBBSで見て、『こりゃあ、自分も何か参加しなくちゃ。どうせ参加するなら、みんながびっくりするような、話のネタになるようなのにしよう!(単なるに目立ちたがり屋?)』と思った時でした。ある意味、勢いだけのエントリーです。しかも今までフルまでしかレース経験のない私にとっては、このレースは最長距離!そういう意味で、参加のきっかけをくださった皆さんに感謝! まず、コース概略を大雑把に説明すると、3つの峠を越える全行程43.86kmの山岳レースです。メイン会場の『緑の休暇村』をスタートしてロード⇒登山道⇒ロードと小手調べのアップダウンをこなした後、1つ目の峠越えに入ります。6kmで1,000m登り、その後3kmで800mを一気に下って第1チェックポイントに到着します。続いて2つ目の峠越えは2kmで450m登り、その後8kmで400mをゆるやかに下る比較的楽なコースとなる予定でした。(ということは当然アクシデントがあったことが容易に想像できますネ。詳しくは後程報告します。)ラストはコース最高点姫次山(1,433m)まで5kmで800m登り、スタート地点に戻ってゴールです。(参考までに、昨年は峠2つ越えで36.77kmだったそうです。) 3年前、同じく山岳レースの富士登山競走に参加した時は、7月末開催に合わせGWに奥多摩に練習に行ったり、筋トレをしたり十分な準備をしました。(余談ですが、残念ながらその年の大会自体は、悪天候のため5合目打ち切りとなってしまいましたが、通過タイム・順位から判断すれば、何とか完走できたのではないかと思えるだけに悔しいです。)しかし今回は山岳ということでの練習は1週間前に行なった六甲山系の摩耶山に登った(高低差約600メートル・距離約13Km)だけで、前回と比べるとずいぶんと気楽に当日を迎えてしまいました。(まあ、あまり入れ込みすぎない方がいいかな、なんて思ってみたりして)ただし、レース1週間前から咳が止まらなくなり(7月11日現在も続いている)、また前日が仕事だったので宿泊もできず、当日の夜中に車で出発(ということは帰りも運転する?)というハードスケジュールとなり、正直言って万全とは程遠い状態での参加となりました。まあ、レーステーマを『景色を楽しみながら、たくさんの人とお話しよう』と決めて参加しました。 北丹沢報告A 会場入り〜スタートへ 前日は仕事。宿泊も取れなかったので車で行くことになったが、『行きはよいよい、帰りは…』なんて童謡がフト頭をよぎった。そう、レースが終わってからも大変なんです。予想ゴールタイムも見当がつかない中、帰りの中央高速大渋滞を考えると気が重くなった。しかし悩んでいてもしょうがないので『なるようになるサ!』とお気楽モードで行くことに決定! 最初は家で一眠りしてから出発しようとしたのだが、カキコしたりしていたら何かワクワクしてきて眠れなくなった(このあたりの精神構造は、遠足前日の子供そのもの)ので寝ずに0:30頃に出発した。通常のレースと違い、エイドステーションがほとんどないので、食糧・水は自分で用意しなくてはならない。(実際にほとんどのランナーがザックを背負っての参加でした。)私もコンビニで食糧を購入し、いざ北丹沢に向けて出発!! 順調に高速を走り東京を横断、相模湖ICで一般道へ、とその時、ポツリポツリと雨が降ってきた。(吉○三の『酔歌』の歌詞みたい)『ついに来たか。こりゃあ明日は雨かな?』と思いながら車を走らせる。相模湖は真っ暗で当然見えず、ICから会場までは12km程度なのだが途中に峠越えもあって、ナビがなければ今何処にいるのか見当もつかない状況であった。いつもは『俺の方が道を知ってるゼ!』なんてバカにしていたが、ナビがあることのありがたさが身にしみました。(ナビ君、いつもはゴメンネ。)峠が近づくにつれて、どんどんと寂しい景色になってくる。みなさん、想像してください。深夜の2:00・山の中・対向車もない・・・。ついつい『この道って何か出たりして・・・』なんて余計なことを考えてしまいそう。『イカン!こういうときは音楽だ!!』と思いCDをかけることにしたが、あるのは子供のものばかり。なので一番元気が出そうな、ウルトラマンガイアのサントラをかけて景気づけすることにした。(なんてったって走り屋にはウルトラマンゴンやらウルトラマンタイガ…等々、ウルトラ一族がたくさんいるし)『ギリギリまでがんばって ギリギリまで踏ん張って ピンチの ピンチの ピンチの連続 そんな時ウルトラマンが欲しい!ウルトラマンガイア〜ッ!!』と37歳のおじさんが山の中で絶叫している姿は自分で想像しても笑えるが、そんなのお構いなしだ!なにせ誰もいないのだから。 そうこうしているうちに会場である緑の休暇村入口に着く。しかし案内のおじさんから会場内の駐車場は満車なので少し離れた別の駐車場に行くように告げられる。(それにしても、たった一人で真っ暗な雨の山の中で案内してくれているおじさんには頭が下がりました。)指示に従ってさらに進むと駐車場を発見。ようやく今宵の安住の地に到着。すでにかなりの車輌が停まっていて、なかにはテントを張っている人もいた。時計に目をやると時刻は2:22.受付は5:00〜6:30までなのであまり時間がない。すぐにシートを倒し、寝袋に潜り込み仮眠を取った。さすがに疲れたのかすぐに眠れたが、途中半ば眠りながらも大雨が降っていたのはわかった。『ヤバイな』と思ったが、5:00過ぎには霧雨になっていたのでひと安心。ちょうど隣の車の人も起きたようなので挨拶を交わし、6時ごろ一緒に受付に行くことにした。この方は茨城のひたちなか市から来たそうで、北丹沢は初めてだけど、山岳レースにはよく参加しているとのこと。色々と話をしながら会場入りをした。(以後この方をひたちなかちゃんと呼ぶ) そういえば5:00位から駐車していた車が移動し始めたことに気がついたのだが、後で聞いたところ、この時間になると会場内の駐車スペースが拡大する(夜間は停められない川向こうにも停められるようになるらしい)ので、『知っていればこの時間に移動することが出来たのに』と悔しい思いをした。なぜなら来た時は暗くてわからなかったが、私達が駐車した場所は会場から約1km、100m以上も登ったところにあるので、レース後に難儀することになった。 霧雨の中、会場に到着して受付を行なう。(参加賞にア○ヒスパ○クスが入っていたのにはびっくりした。しかもレギュラー缶。レース前に飲んだ人はいないだろうな。)参加者は名簿上では約1,000人。普段のロードレースでは見かけないサ○モンのブースなんかもあって、のぞいてみたかったが、荷物預けを先にしようということで見はぐってしまった。レースの支度(もちろんピンクのランシャツにシューズはゲルフジ)を済ませ、荷物を預け、その後トイレへ。スタート場所近くは仮設トイレがなく通常のものだけなので混雑していた。しかし経験則からいってちょっと離れれば、と思い300m位離れたキャンプ場のトイレに行くと予想通りほとんど並んでなかった。ガッツポーズ!!ひたちなかちゃんと仲良く連れ○ン(運命の友達、略してウ○ダチだよね、リュウさん。)した後、スタート地点まで移動しながら軽いアップ。スタート時刻の7:00まで若干の時間があったが、スタート地点が狭いのでストレッチをしながら待機する。レース前のいつもの緊張感がやってきた。ひたちなかちゃんは7時間台が目標だそうだ。私は見当もつかなかったので8〜9時間位かなと思っていた。 さあ、いよいよスタートだ! 北丹沢の雨は優しく・・・走録Bスタート〜最初の峠越え 雨の中、号砲が響き一斉にスタート!!ほとんどロスタイムなくスタートラインを通過する。ランナーの家族だろうか、小雨の中一所懸命応援してくれている方々に手を振りながらゆっくりと走る。最初の2kmはロードの登りだ。道幅も広く気持ちよく走れる。とその時、大勢のランナーが通過する脇でなにやら動くものを発見。よく見るとモグラだった。そいつはアスファルトの上をランナーの流れに逆らいながら必死に走っていた。こちらも地表に出たモグラを見るのはまれだったが、モグラにしてもこんなに多くの人と遭遇してさぞかしびっくりしたことだろう。1kmあたりでひたちなかちゃんがシューズの紐を直すため先に行くことになった。再会を約束しここで別れる。 ロードが終わるといよいよ登山道に入るのだが、ここで渋滞が発生。幅の広いロードから登山道へとランナーが続々と飛び込んでいくのだから、当然といえば当然のこと。先は長いので渋滞に身を任せることにした。ちょっと進んでは停まり、またちょっと進む…を幾度となく繰り返す。通常のレースでは文句も出てきそうだが、みんな整然と順番に登っていく。中には必死に追い抜こうとする輩もいたが、F1モナコGPXのように追い抜くポイントが無いので、かえって無駄に体力を使っているように見えた。我慢・我慢の登山道を抜けると、約4kmのなだらかな下りのロードに出る。『前半はゆっくり…』なんて言葉を思い出しつつも、渋滞の鬱憤を晴らすべく気持ちよく加速する。走り屋代表(だから、誰もそんなこと言ってないってば!)としてここで50人は抜いた。途中で流山○Jの方とお話することも出来、健闘を誓い合った。下りロードが終わると、最初のチェックポイントの神ノ川(かんのかわと読む)キャンプ場に着く。ゼッケン番号を確認しているのが遠くからもわかったので、大声で『165番で〜す。』と応えたら喜んでもらえたので、気分良く通過!! キャンプ場を越えると、いよいよ山岳レースの本性が牙を剥く、最初の峠越えに入る。明らかに今までとは違う、きつい傾斜が目の前に立ちはだかる。否応無く走りから歩きに切り替える。雨で気温が上がらなかったことは良かったが、足元が不安定なのはチト不安である。滑らないよう一歩一歩踏みしめるように足を運ぶ。登り始めこそ遅いランナーを抜いたが、それではとてもじゃないけど先が続かないことを悟り、前のランナーに合わせて進むことにした。この最初の峠越えは山岳地図でも“難路”となっており、足場が悪いうえに案内もわかりにくく、実際にコースを間違ってるランナーも見かけた。前のランナーと離れてしまうと『このコース、間違ってないかな?』と不安なるので、その意味でも前のランナーについていくことは精神衛生上も楽であり、山岳レースでは単独にならないほうが良いということを実感した。あと少しで最初のピークというところで右足太腿にイヤな感覚が・・・。『最初の峠も越えないうちからつってたまるか!』と思い、さらに注意深く歩くことにした。幸い最悪のケースにはならなかったが、その後は“足がつる”恐怖との闘いになった。最初のピークは山の頂上ではなく中腹であったので突然目の前に現れた。頂上だったらそれなりに気配があるものだが、それまでが苦しかった分、ちょっと拍子抜けしてしまった。ともあれ『ようやくひとつ登りきったのだな。』という安堵感を感じながら下り道に移る。ふと気づくと、自分が雲の上まで来ていることに気が付く。次のチェックポイント“神ノ川ヒュッテ”まで800mを一気に下る。最初は、走っている自分の足元すら熊笹にかくれて見えない獣道を駆け下りる。この時点で靴はグショグショで、白い靴下とグローブは真っ黒に変化していた。よく『登山より下山の方が難しい』とよく言われるが、まさにその通り。登りでくたばった足ではスピードコントロールが出来ない。つづら折の道では、途中の木につかまらないと勢いあまって落っこちてしまう。登り以上に慎重に下り、ようやく給水ポイントでもある神ノ川ヒュッテに到着。いただいた水のおいしかったこと、まさに生き返った気分だ。タンクに水1.5gを入れていたのだが、ほとんど飲み干していた。雨で気温が上がって無くてそれなのだから、晴天だったらぜんぜん足らないってことでしょう。タンクに水を補給し、バナナをもらい、クール○ッドを濡らし、チェックを受けたら、気持ちを切り替えて二つ目のピークに向けて出発だ! 北丹沢走録C〜比較的楽なはずが・・・ 二番目のピークは標高1,000m。500m弱を登り、その後緩やかな下りにつながる、三つの峠越えの中では比較的楽なハズでした。(ということは・・・) ここのピークは“犬越路”といって、その昔武田信玄が小田原の北条氏康を攻める際に、軍犬を先導させてこの峠を越えたという説から名づけられたそうだ。その犬越路までの急な登山道をゆっくりと登っていく。途中でひたちなかちゃんと遭遇。3時間ぶりの再会である。しばらく一緒に登るが、今回は私の足が言うことを聞かなくなってきたので先に行ってもらった。その場でストレッチをしながら登ると、程なく二番目のピークが現れた。 この後は緩やかな下り坂だと聞いていたので、安心して持って来たおにぎりを食べる。体が食べ物を受け付ないかと思ったが、意外にもおいしくいただきました。『さあ、下りは何人抜くかな?』なんてのんきに思っていたら予期せぬ出来事が起きた。コース案内係が先の方を指して何か叫んでいる。よく聞くと、昨日からの雨で土砂崩れが起き、迂回コースを進めとのこと。その迂回コースに目をやり呆然!!遥か上のがけをランナーがへばりつくようにして進んでいる。臨時に設定した迂回路なので当然登山道ですらない。コースを目で追いながら、一気にやる気がなくなっていくのを感じた。このレースで一番気持ちが萎えた瞬間だった。ちょっとした放心状態のまま、自然と休憩モードに入る。しばらく腰を下ろして休んでいたら睡魔が襲ってきた。昨日の夜からの強行軍のツケが回ってしまったらしい。このままではいけないと思い、ようやく重い腰をあげる。迂回路は予期したとおり厳しいコースだった。足はもちろん手までフル動員しなくてはがけ下まで落ちてしまう(冗談抜きで)ので必死だった。 土砂崩れ箇所をかなり大回りして迂回し、本来のコースに戻る(ほとんど進んでいなかった)と出張エイドがあり、バナナが配られていた。ここのバナナ担当のおばちゃんは、ランナーが山の中で手まで汚して奮闘していることを知っていて、『ハイッ、口あけて、私が食べさせてあげるから。』と全員にバナナを剥いて食べさせてくれた。ちょっと恥ずかしかったが、実際に泥だらけでだったので助かった。これは嬉しかったとともに、ちょっとネガティブになりかけた気持ちを再びガンバロウ!!という気持ちに変化させてくれた。 心なしか足が軽くなった気がした。後は緩やかな下りだ。バナナおばちゃんの好意に応えるべく、足をかばいながらも快調に飛ばす。ここでもかなりのランナーを抜く事が出来た。(といっても、登りや休憩中に抜かれていることを思えばプラマイゼロか)走りながらも鳥の囀りを聞いたり、コース脇の滝や山々の眺望を楽しむことが出来た、今度はレースではなく個人的にゆっくりと来てもいいなと思った。 下り終わる頃、チェックポイントであり給水ポイントでもある『神ノ川園』に着く。ここでは、ランナー、ボランティア(地元のおばちゃんと女子中学生)がいろいろな話で盛り上がっていた。精神的にきつくなってきたタイミングなので、このやすらぎが嬉しい。ここで聞いた情報では、トップはここを約3時間で駆け抜けていったそうだ。3位のランナーが通過したのがその30分後ということなので、トップがずば抜けていることが伺えた。ちなみにここはスタートしてから29km地点で、私の通過時間は5時間弱であった。『あと一山だからがんばってね』と送り出され、最後の峠越えに向かう。 北丹沢走録D 最後の峠越え〜フィニッシュへ いよいよというか、ようやくというか、最後の峠越えが始まる。高低差820m距離約5kmを登り、コース最高点である姫次山(1,433m)へと向かう。三度目ともなるとさすがに山岳レースのコツがつかめてきた気がする。 列挙すると、 @登りでは、少しでも早くしようと色気を出さず、完全に歩きに徹すること。 A定期的にストレッチを入れて足が痙攣しないように注意すること。 B下りでは、足をほぐすような気持で走り、気分を変えること。 C周りに惑わされずにマイペースで行くこと。 Dボランティア、他のランナーと話し、リラックスすること。 こんなところでしょうか?(C、Dは別に山岳レース以外でも当たり前のことか。) 『何のレースでも残り三分の一って一番きついところだなあ。』なんて思いながら、壊れそうな足を持ち上げ、ゆっくりゆっくりと登ってゆく。不思議なもので共通体験をすると言葉がなくても会話ができるようになるらしい。というのは周りのランナーと目が合うと、お互いにきつくて声が出ないけれど『つらいねエ。』『あと少し。頑張りましょう。』となんとなく表情だけでも会話が成立する。 途中『風巻の頭』(標高1,077m)のベンチにてしばしの休息(休足)をする。そこで得た情報では、それまでに登ってきた道と比較すると、この後は多少緩やかになるらしい。 ここで一緒に休んでいた大宮から来たお兄ちゃんにブドウ糖をもらう。このお兄ちゃんとは前の下りで、私が追い抜く際にお話をしのだ。その時、ひざを痛めているので下りはゆっくり行くと言っていた。さすがに登りは早く、ここで追いつかれたということだ。このブドウ糖は結構効いた。なんとなく元気が出てきて、『さあ、残りわずかだ。どうやって楽しもうか。』と物事をポジティブに考えられるようになった気がした。そうそう、このお兄ちゃんも使っていたが、今回のレースコースでは、山登り用のストックがあると良かった。荷物になるからそんなもの要らないと考えていたが、きつい登りでは足の負担も軽減でき、足場が悪いところではバランスを保てるので、持っていけばきっと楽だっただろう。 登り続けること約2時間。ようやく最高地点の姫次山に到着。ここが最終チェックポイントだ。ここで多くのランナーが休んでいたが、ここで足を止めると2度と動かなくなってしまいそうな予感がしたので、そのまま下りに突入する。ここでびっくりしたのはランナーが休憩している場所から10mくらいのところになにやら茶色の動物が見えた。野生の鹿だった。改めて自然の中にいるんだなと実感した。 ここからは下りオンリー。最初は4km位を緩やかに下り、その後5kmで800mを一気に下る。下りのスペシャリストとしてここはふんばらねばならない。またしてもスパートをかけ、気持ち良く追い抜いていく。道幅が狭いところでは先行するランナー足で土がこねられて、踏みしめると○ン○を踏んでしまったような妙な感触がした。(踏んだことがあるんかい!)しかし、いくら下りでも残り9kmもあるのだ。しかも30km以上もレースした後だし。当然、つけがまわって来る。ラスト5kmを過ぎたあたりでそれまで快調に下ってきた足が急に鉛を入れたみたいに重くなったような気がした。そうなると『このまま歩いちゃおうかな』なんて弱気が出てきそうになる。歩いても十分ゴールはできるだろうが、このまま沈んでしまっては何とも情けない。(何が走り屋代表だ!ランシャツが泣くぞ!)走り屋仲間からもらった前向き思考で自分を奮い立たせなければ・・・。フト時計を見るとスタートしてから7時間30分が経っていた。『そうだ、制限時間を自分で決めよう!それじゃあ、8時間にしよう!』ということで、ラスト5kmを30分で走破するという目標を定めた。そうなると不思議なもので、身体に力が湧いてきた気がした。苦しいながらも止まらずに山を下る。『ゴールでは完走うどんが待っているゾ。(いつもは命水だけど)』と自分を励ました。 ようやく今朝走ったロードが見えてくる。後1kmの看板もある。時間は8分ある。なんとかいけそうだ。そこにある最終給水所でたっぷりと水分補給し、頭にも水をかける。給水所のおじさんが応援してくれる。元気良く応えてロードに飛び出す。行きはロードだけだったが、帰りは途中でわき道に入る。またしても登山道だが、残りはわずか。一気に駆け下りる。ここでもまた何人か追い抜くことが出来た。自然に気持ちも盛り上がる。坂を下り切り、川を渡ると今朝スタートした懐かしい(?)緑の休暇村に入る。遠くのほうでひたちなかちゃんが手を振ってくれている。(ピンクシャツは遠くからでも良くわかったそうだ。)手を振って応える。『ラスト100m。がんばれー!』とコース脇の声援も大きくなる。『ありがとう』と応えたいが、目一杯なので声が出せず、かろうじて手を挙げて応える。あと10m、9m、8m、・・・・・・1m、ゴール!!7時間58分33秒。かろうじて自分との約束を守ることができた。 北丹沢走録E フィニッシュ後記 ゴール後、ボランティアの地元女子中学生からポカ○ス○ットを受け取り、一気に飲み干す。この一杯がウマイ!!その後、即時発行で記録証をもらう。後日、記録証が郵送されて来るのが楽しみだったりもするが、こうしてすぐにもらえるのもそれなりに嬉しいものだ。今まで私が参加したレースでこのパターンは『かすみがうら』だけだった。次にパンフに載っていた『完走うどん』と『完走パン』を探す。ゴールするまでは目一杯だったはずなのに、ゴール後はもらえるものはきっちりと探すあたりが我ながら逞しい(意地汚い?)。まあ、もらうものはもらい、食べるものは食べた後、荷物を受け取り、移動の準備をする。そう、駐車場まで移動しなくてはならないのだ。この時サンダルを車に置いてきたことを後悔した。泥だらけだったので洗った靴を、もう一度履いて歩くのは非常に難儀した。荷物を背負いながら、坂道を上がる。今朝走ったコースだ。『あのモグラどうしたかな?』なんて思いながらひたすら登っているとランナーとすれ違う。何処からきたのか不思議に思っていた。あと少しで駐車場というところで謎が解明された。向いから降りてくるランナー(見たところ40台女性とその仲間たち)に『スゴーイ!どのくらいで完走したの?』と聞かれた。そう、彼(彼女?)らは関門に引っかかったランナーたちだったのだ。『大体8時間です。』と答えた。しばらく話した後、『来年は一緒に完走しましょう。』と誓い合った。関門に引っかかったランナーをバスを降りてから約1kmも歩かすのはいかがなものだろうかと少し気になった。 駐車場でひたちなかちゃんと合流。彼は私より約30分前に到着していたのにお付き合いいただいてしまった。お互いに車なのでいつものように給命水で親睦を深めるわけにもいかない。そこで参加賞の『やまなみ温泉』入浴券を使い温泉に行こうということになった。 やまなみ温泉は普段はひなびた趣のある温泉だそうだ。しかしその時はレースの参加賞になっていたこともあり、大勢のランナーでごった返していた。普段からこの温泉を利用している方々が『今日はどうしたの?』とビックリして係に尋ねていたのが印象的だった。湯船に浸かりながら寝ている者もたくさんいた。もちろん10分後には私もその仲間になってしまったけど・・・。温泉設備も良く、すっかりリフレッシュすることが出来た。ここでひたちなかちゃんと別れ、家路に着く。 17:00過ぎに温泉を出発し、相模湖インターから中央高速、首都高速、常磐高速と乗り継ぐ。途中小仏トンネル、高井戸で渋滞があったものの、相模湖から約1時間20分で自宅に着くことができた。強行軍のため、永福あたりで睡魔との激しい闘いをしたが、何とか無事に帰宅できました。ようやく本当の給水が出来る!と自宅近くのコンビニでご褒美を購入して家に入る。家族の出迎えrを受ける中、レース中は、あれほど苦しくて『もう出たくない。』と思っていたのが、『また出たい!』と心の底から思っていたのは、我ながら不思議だなーと思った。 最近『走り屋』でも山岳系が認知されつつあり、嬉しい限りです。北丹沢に限らずその他の山岳レースにもメンバー複数で参加したいですね。みなさん、是非一緒に山の空気を吸いに行きましょう。 |