| せきぽんさんのレース完走記その1 |
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| 第9回星の郷八ヶ岳野辺山高原100キロウルトラマラソン走録 2003年5月11日 |
| 前段 5年前、ひょんなきっかけで、12時間走に参加することになり、107km超の記録で、準優勝、これには、自分でも驚き。それから、ウルトラの大会に参加してみたい、という気持ちになっていたような気がします。その後、年に1レースペースで参加してまして、スケジュール面とまだ経験してないコース選択から、今年は、野辺山になったわけです。いやぁ〜調べれば調べるほど、難コースであることがわかり、不安と恐いもの見たさが心の中で同居していました。 大会前日、カーボパーティーに参加。サロマのそれと比べりゃ、とっても貧弱だったかな?←主催者の方ごめんなさい。そこで知り合った、アスリートを目指す34歳の青年(黒健さん)、ワイフと娘(2歳)同伴で参加してました。毎朝4時半起きでランニング、月間走行距離は400km超だそうです。ひぇ〜。。ワタクシには到底マネはできん。しかも、ワイフ曰く「両足に25kgのおもりを巻いて走っている」とか?ちょっとまてよ、合計50kgは、持ち上げるのにも一苦労ではないか。なんかおもりを巻いているのは確かだが、単位が間違っているんるんじゃないの?黒健さんは、71kmの部に参加するとのこと、大会参加経験はハーフが最高だそうですが、この練習量なら、いきなり100kmでもいけるんじゃないか、と思うが。。。明日の健闘を誓い合って、お別れしました。 宿にもどり、いつもと変わらず、妻とビールを浴び、床につきました。 大会当日、目覚ましもなる前に目覚めまして、体調はすこぶる良好です。前日に買出しした食物をしっかりかみしめて、腹ごしらえ。準備万端。ひとつ、気になることがぁ〜。。便通がない。そう言えば、金曜日あたりから、ずっと無いことに気づきました。ウルトラだから、レース中でもなんとかなるか。偶然にも同じ宿になった(サロマでも同じようなことがあったなぁ)地元の女医先生と3人で、現場へ車でGo! ちょっと肌寒いので、横浜マラソンでもらった、ぺらぺらの雑巾にしか使い道がない様なTシャツ(横浜マラソンの関係者の方ごめんなさい)を上に重ね着してStart合図を待ってました。 Start 〜 20km 秒読み開始、5−4−3−2−1−バ〜ン!サロマの時のような、スターターのフライングもなく無事にStart。いつものとおり、6分/kmペースを維持しつつエイド、着替えポイント、トイレなどのロスタイムを加味して、11時間を切れればGood!なんだが、計算どおりいかないのが、ウルトラMだよね。Start地点の標高が1355m、最初の5kmは、平坦で舗装道路で走りやすいせいか、まわりの方々がビュンビュン抜き去って行きます。ここでつられて行ってしまうと、付けが後に回ってくるからね。この誘惑に負けないよう、抑えて抑えて、ペースを守って前進前進。JR最高地点(1375m)で記念撮影。5kmを過ぎると、林道に入り、途中から、舗装がなくなり、石ころだらけの坂道登りがはじまりました。10km通過55分。ちょっと予定より早いが、まずまずのペースかな?今回は、エネルギー補給に「カーボショッツ」から「SAVASのピットイン」に切り替えました。自分としては、食べやすさから、こっちの方が好みです。このまま20km地点までこのコースの最高地点(1880m)まで、石ころとのお付き合い。この高地での自分の身体が順応できたこと。これで、完走への第一関門は通過したぞ。地元円海山を走るとき、木の根っこを気にするあまり、下を見て走る癖が付いてまして、こういったコースの場合、ワタクシの走法はバッチシあってます。20km通過2時間1分。すごぉ〜い、時計のように正確!←自我自賛。 20km〜35km ここから、約3km砂利道下り。ここは、せきぽん走法が力を発揮、石ころに足をとられないように、もたもたしているランナー達を横目に、忍者のように、すり抜けて行きました。途中、立ち止まり、写真を何枚かとりました。10人は抜いたかな?途中から舗装整備がされ(毎年、この舗装が延長されているらしい(稲子湯でベテランランナーに聞いた話))、ほっ!と一息。34km地点で、係員から、「あと1km登って稲子湯ですよぉ−」と声がかかり、「よし!」と。坂道練習のつもりで、温泉目指して、スピードアップ。爽快に稲子湯へ到着。3時間20分前後、こりゃ早すぎだっぺよ。妻たちの応援バスも待ち構えており、賑やかなエイドステーションと化してました。黒健ワイフと黒健娘も、夫を待ちわびている様子。着替えポイントにもなってますので、着替え袋を受け取って、入浴券をもらって、温泉へ。うわぁ〜。。明治時代にでもタイムスリップしたみたい、なんとも古風豊な温泉。すでに、3〜4人入っているランナー達がいて、いろいろ会話しながら、温泉気分を味わってました。自分が今、ウルトラを走っている最中であることを忘れてしまいそうな、なんとも落ち着いた雰囲気。ビールでも飲みたい気分になるのは、皆おなじようでした。さっぱりして、ランパンランシャツに着替えて出発へ。ちょっと長居しすぎたかも知れんが、すっかり疲れも抜けたような気分。外に出ると、黒健が到着したようで、砂利道の辛さを家族に伝えてました。「温泉入ってきたら」というと、「そんな余裕ないっすよ」と、ほんと、いい温泉なのに、もったいない。いままでの35kmはチャラにして、ここから65kmの大会のSTARTという思いで出発。 35km〜71km すこし登った後、一転、急勾配の下り坂。標高1770mから880mのコース最低地まで13km続きます。下りは、気をつけないと、膝をやられるので、上手にすりすりと這うように下り、かつスピードはそこそこに。自慢じゃないが、下りは、得意なんです。ここで、貯金をいっぱい貯めておこうとばかりに、ペースアップしてガンガン下っていきました。この間、何人ものランナーを抜いてましたが、妙に後ろの足音が、気になる。ずっと、ストーカーされているようで、前には出ない、後ろにぴたり付いているんですよぉ。不気味ぃ〜。かわいい娘なら許してやるけんど、じじぃ〜だったら許さんぞ!40km近辺のエードで立ち寄り、その主を確認!「ゲェッ、あんたかよ。ずっと、後ろにくっついてたんはぁ。」「もう限界ですわ」と、黒健だった。けっこう根性あるなぁ、とおもいつつも、かわいい娘でもなく、じじぃでもなく、むにゃむにゃ。。しばらく、5kmぐらいは、付いてきたようだったが、しだいに足音が消え、50kmの関門通過。5時間3分、温泉入浴時間を完全に挽回した感じ。50人以上は抜いたと思う。54km〜58kmの道は、このコースで唯一の折り返しのあるところなので、ランナーとのすれ違いが経験できます。先行ランナーと後方ランナーの様子をはじめて目にすることができたということ。滝見の湯入り口という標識を左折して、すれ違いのランナーともお別れ。ここから、71kmの滝見の湯(標高1160m)までだらだらと登り坂が続き徐々に勾配がきつくなってくるような気がします。これは、脚に疲労が蓄積して、しんどい、という思いからの錯覚だったかも知れません。しかし、71km地点までは、先のことなど考えず、心を無にして前進あるのみ。ペースがかなり落ちてきました。下りで脚を使いすぎたかしら?71kmポイントへ到着。到着タイム:7時間16分。応援バスも先に到着してまして、妻と再会。なんと、「稲子湯に財布を忘れてきてしまった」とのこと、「後で、現地までとりに行かなければならないかもしれないので、早く帰ってきて!」と。おいおい、100km走った後もそのエネルギーを残しておけってかぁ??←後に係員のご親切により、会場に届けてくれたようです。感謝です。 71km〜79km あらたな重荷を背負ったままコース最大の難所「馬越峠」へ向かって出発。疲労困憊だが、なんとかだましだましでも、あと29kmを走りきらねばならん。とりあえず、目の前の目標を決めて前進しよう。次の目標は、79km地点だ!ここへ来て冷たい雨がぱらぱらと、ランシャツの格好だと、かなり厳しい。手はかじかみ、肩から腕にかけて鳥肌状態。しかも勾配がきついので、走りきれない、走ったり歩いたりの繰り返し。加えて、腹が張りだし、便秘状態が、今になってアタマをもたげてきて、苦しい。悪いことは重なるもんだと、のんきなことを考えつつ、ゆっくりゆっくり前進。錯覚かも知れんが、勾配がどんどんきつくなっていくような気がして、後ろを振り向くとだぁ〜れもいまえん。前を見てもだぁ〜れもいまへん。あぁ〜ん、ひとりぼっちでこんな山ん中に、もしも道を間違えていたらどうしよう、と新たな不安をいだきながらも前へ進むしかねぇ。走れるヤツは、こんなところでも走りきってしまうんだろうな、と思うが、我々ぐらいのランナーだと、同じような状況なのでしょう、こんな状態の進み具合でも誰一人追いついてきませんもん。長い時間が過ぎ、距離はさほど稼げず、係員のおじさんが、「ここをまがれば、頂上だよぉ」。と、すごい嬉しかった。ゴールしたわけでもないのに、前々から、難所だと言われていた、ところをこの脚で達成できた喜びからなんでしょうか。登山家の気持ちがちょっぴりわかったような気持ちです。←そんなんでわかってもらっちゃ困るってが?ここで、ゆっくり休息をとろうと思い、エネルギー補給をしっかりとった後、仮設トイレを占領して、便秘解消作業に入りました。力んで力んで、コルク栓をやっと抜いた感じぃ。3分の2ぐらいは解消できたようだが、まだ、次のコルクが詰まっているような、違和感があったんだが、ま、よしとしよう。お、なんか、身体が軽くなったような感じだ!なんて単純なんだろう、あたしって。 79km〜87km 次の目標は、87kmの着替えポイントとしよう。ここへ行けば、濡れてないTシャツが置いてある。得意?の下り、下りになると、なんとも調子がいい。また、何人ものランナーを抜いて、抜かれるより抜く方が気分がいいもんだよね。ますます飛ばして、下りきると、難なく87km地点へ。とにかく寒い。着替え袋を受け取りましたが、「え、どこで着替えるんですか?」と聞くと、「はい、そちらでお願いします。」と指さされ、その建物に入ってはみたが、どこやらさっぱりわからず、しかたなく、玄関先で上だけTシャツに着替えて、ピットインを2つ持ち、ヴァームを一気飲みして、準備完了。お!あったかそうなうどんがあるじゃんか。椅子がひとつ空いていたんだが、先にうどんをもらった、兄さんが、座ろうとしないので、「座ったらぁ、どうぞ」というと、「いやいや、どうぞどうぞ」と譲ってくれました。なんか、シルバーシートにでも薦められたような気分で、悲しくもあり嬉しくもあり。兄さん「座ると軽脚になっちゃうんで」と、初めて聞く言葉「軽脚」、なんとなくわかるようなわからないような?こういう人とのコミュニケーションもウルトラならではのものですよね。 87km〜Gool さてさて、最後の13km。冷たい雨が、徐々に強くなってきまして、せっかく着替えたTシャツは、あっという間に、びしょびしょ。また寒さとの戦いだ。エードのおじさん、から聞いたんだが、3kmは、平坦だが、そこからまた登りが始まって、最後のゴールまで登りだと。90km地点通過:9時間55分。最後まで、気力で走りきれば、目標の11時間切り(10時間台ゴール)は楽勝と、思いきや。そうは簡単には完走させてくれないだよこれが。ダラダラ続くのぼり、寒さのせいか、脚筋が思うように動かない、競馬のムチのように、ビシビシを平手打ちで気合を入れるんだけど、ペースがいっこうに上がらず、とうとう、歩きが入ってしまったわん。この間、女子3名に抜かれてしまいました。ショック!ペースはゆっくりなんだが、走り続けている、女はしぶといなぁ、と関心。歩くと寒くて震えがくるし、走れば、脚が思うように前に出ないし、ジレンマとはこのことか。やっとの思いで、ゴールが見えてきました。なんだよこれ、ゴールまでの直線コース、石畳の上、しかもまた、登り坂、最後の最後まで、苦しめてくれやがったなぁ。もう、やけのヤンパチでダッシュ!青年を一人抜いてやったぜ!プロフィールが場内放送で流れ、ゴーール!ゴールタイム:11時間19分13秒(87位)。ウルトラをゴールした時って、一つの事をやり遂げた気持ちで感慨深くなるもんだが。。。今回は、寒くて寒くてそれどころではなかったんでしょうか。なんもない。空状態! その後 手打ちそば、食っていても震えが止まらず、味がわからん。早く着替えて宿に帰って風呂入りたい。それだけでした。妻と駐車場に戻り、帰り支度をしていると、例の女医先生と思われる方が目の前を通過。ゴール放送で、確かに、女医先生であることがわかり、逆走して記念写真をとりに向かいました。私は、車中の暖房を最強にしてじっと待ってました。そのとき、なにを考えていたんだろうか。思い出せない。やっと、震えも止まり、正常な感覚に戻った気がしているところに、妻が戻り、スーパーウーマンの女医先生の話で盛り上がり宿への岐路へ。土曜日の午前診療が終わって、鈍行電車を乗り継ぎ、野辺山へ、駅から2kmある、宿まで荷物抱えて、歩いたと。そして極めつけは、レース後、また電車でもどって、月曜日の診療へ備えると。有給とってのんびりしている俺達とはわけが違うなぁ。わたしゃぁ、あんなに練習したのに、このざまだ。逆に練習したから、ここまでこられたのかも知れんが。後から妻から聞いたんだが、黒健は、71km無事完走したと。しかも目標よりも好タイムで2○位とか?たいへん満足だったようです。途中、ワタシに引っ張ってもらったからだ、と言ってたらしいが、底力はある、ということだろ。来年は、是非100kmに挑戦して、苦しんでくれや。うふふ。 宿に帰って、湯船に使っていて思った事。5月11日は母の日、母には感謝の気持ちでいっぱいだった。ネットで、花を贈っておいたが、物では、言い表せない気持があります。「こんな過酷なレースも完走できるような健康な身体に育ててくれてありがとう」と。会社も病気で休んだことなど一度もないし。健康であることのありがたみと、お風呂の暖かさがなんともここちよかった。 The End |