yokoyanさんのレース完走記 その1 
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何とか無事に行って来ました〜『独りさくら道』  2006年7月13日〜16日

 7月13日21時・・・JR東海名古屋営業所のさくら道1号桜をスタートして、16日朝5時36分に兼六園の1500本目の「佐藤桜」に到着しました。フツーの桜の木なので探すのにひと苦労・・・合掌(笑笑) 
260キロを56時間36分で独り勝手に総合優勝で〜す。 誰も見てなかったけどね(爆)
本当は48時間以内で走らないと完走扱いにはならないのだけど・・・(苦笑)

 13日の勤務を終えて残業拒否で名古屋へ。
国鉄バス名金線の車掌だった佐藤良二さんが、「人のために尽くす人間に」との父親の教えを果たすべく、サラリーマンとしての私財を投じて、太平洋と日本海を繋ぐ2000本の桜を植え続けた。
 昭和35年、御母衣ダムに水没する北濃村から樹齢400年の荘川桜(アズマヒガン種)2本を電源開発が引き上げ、見事に移植に成功した。
その生命力に良二さんは感銘を受け、昭和41年から桜の苗木を植え始めた。
まずJR東海名古屋営業所に行くと、ひっそりとありました1号桜・・・実生の荘川桜は成長がゆっくりなのか・・・幹の直径はまだ20p位か・・・細いです。
現在のウルトラ国内最高峰・さくら道国際ネイチャー250キロレースは、名古屋城をスタートするのですが、私のスタートはここです。

 大会ではなく、エイドもサポートもない今回の『独りさくら道』
出来る限りザックを軽くしたいので、履いてきた古着のスボンを予定通り処分。
荷物の軽量化と寒暖の対策は、今回の最大のポイントだ。
昨年五月連休に初めて臨んだ19名の「それぞれのさくら道」では、寒さ暗さ怖さから125K地点で断念したが、引続きコースを車で確認していた。

 21時00分にスタート。
5K名古屋駅前・・・栄・・・名古屋城・・・枇杷島橋・・・。
カッパ寿司で3皿食べた・・・小さい握りがウルトラのエイドみたいだ。
28K尾張一宮。 裁判所に佐藤桜。 駅前の酔ったヤンキーたちが怖い。
眠っている岐阜市・・・関市(闇市ではない)・・・美濃市・・・。

 60K通過が9時間。
行く先のとてつもない長さを感じる・・・何も考えずに歩くだけ。 下り坂だけは走りましたが・・・。
夜中でも蒸し暑いのに、夜が明けたらいきなり炎天下で夜までマイッタ〜。体力の消耗が激しそうで、とにかく温存を心掛けた。
朝7時過ぎに雑貨屋に押し掛けて麦ワラ帽子を買い、酷い汗をかかないように歩き続ける。
それでも1時間弱ごとにペットボトル500を買う。冷房欲しさに頻繁にコンビニに入る。

 ダイヤアイスを8回買ったか・・・首や頭に乗せたり舐めたり、解けると飲んだ。 氷を舐めてる方が、一気に給水するよりも下痢や胃痛を抑えられたようだ。胃痛がないのは助かった。
ペットボトルは何十本買ったか・・・どれも当分は飲みたくない(苦笑)

 86Kの深戸駅。今では街道にもたくさんの桜の木があるから、どれがどれだか分からない。しかし、深戸では10本の桜の木を確認。

 長良川沿いに95Kの郡上八幡へ・・・銭湯を見つけた・・・体がベタベタで臭い・・・デリケートな部分も痒い・・・(表現が綺麗?) 水風呂で全身アイシング。
暑さにタマラズ・・・夕方とうとうレストランでカツカレーを食ったが、以降は飲食店には入らなかった。
 食べ過ぎることだけは避けたい・・・何をしに来たのか分からなくなるから。散々蓄えてきた体脂肪を巧く燃焼させたい・・・(笑笑)
昨年、日本一周から故障を治しながらゴールしたkakipちゃんの姿を見て感じたことは、ザックの重さ分だけ落とさないと足腰の故障に繋がる・・・ということ。諦めたらまた絶対に来たくなるから、諦めない・・・ということ。

 さくら道260キロで女子10連覇を果たされた加○さんからメールが入る。
良二さんは昭和52年に48歳で亡くなられたが、お姉さんが白鳥町でご健在だから挨拶出来るといいねと取り計らって下さった。
そう・・・私の両親に近い年齢なのだ・・・。

 人のためになることをとは・・・うちの親父からは言われたことがないが・・・(苦笑) 今の時代にはすっかり薄れてしまった思想だ。
表現の稚拙だったご先祖たちが、自立・離別していく子供に唯一伝えた言葉は・・・人様にご迷惑だけは掛けないように・・・だろうか。 自己主張ばかりを教え込まれ、最低限度の道徳すら薄れてしまったような・・・。

 お姉さんに歓迎して頂き、1時間半も良二さんのお話を伺い、オニギリを5個も持たせてくれた(泣)・・・桃太郎の気分である。

 いよいよ115Kの白鳥町から山に入る・・・蛭が野分水嶺へ。 去年初めて来て、舗装された国道だけど真っ暗闇が怖くてリタイアした125K地点。
しかしその先には何と・・・光々と明るいラブホテルがあった(バカヤロ〜) 彼女と走って来るヤツなんかいるのか・・・車で来るに決まってんだろ(爆)

 140Kの分水嶺に到着・・・長良川と庄川に分かれる・・・昔の彼女との運命の別れ?を思い出せない・・・。 これも川の道・・・長良川に別れを告げ、庄川を下ることになる。
日本列島を自分の足で越える嬉しさに浸る。

 142Kにコンビニがある・・・24時間営業とまでは知らずに、水を2.5リットルも担いで登って来た(苦笑)。 塩分欲しさにソウメンと梅干し。でも雨カッパは買わなかった。
しかし・・・以降は225Kまで24時間営業店はない。 8年前の地図から飲食店と自販機の場所を確認し、食料と水を確保しなければならない。
車は3分間に1台くらいの間隔か・・・。

 朝3時…149K牧戸のベンチで初めての仮眠・・・寒くて30分のみ。
155K夜明けの荘川桜2本・・・もちろん咲いていない・・・それでも満足・・・。 満開のピークは5月連休後半か。

 御母衣ダムをはじめ、いくつかのダム沿い、ふらつきながら山側の舗道を進む。トンネル内は音がスゴくて怖い・・・でも雨は降らないし涼しいから嫌いではなくなった。

 181Kの白川郷の集落に入る・・・この地形では雪深い訳だと実感。
世界遺産に指定された合掌作りの集落はいくつかある。雨に濡れた濃い緑と低い雲と茅葺き屋根・・・よく似合う。
しかし気象条件は厳し過ぎる・・・標高500m位で変わり易い天候。
霧雨だけではなく・・・ドサブリになる。荷物は濡らしたくないがズッシリと重くなって来た。
下り坂だけ走る・・・。雨が上がると眠くなる。

 携帯圏内に入り、心配を掛けている仲間たちと我が家にメールを入れた。 

 眠い眠い・・・朝10時。 ラッキーにも日帰り温泉で2回目の爆睡30分。 朝飯は生協のヨーグルトとトコロテンを立ち食い。 またザーっと降ったり、霧雨になったり・・・山の天気だ。

 15時・・・203Kの上平村のバス停小屋で3回目の仮眠30分。 寒くなってから道端で眠るより、眠れる場所で眠っといたほうが正解か・・・。
210Kの下梨から一気に登る・・・馬越峠4.5Kと同じくらいの距離と標高差・・・。

 最後の長さ3千mの五箇山トンネルは、音が怖いけど涼しくて快適だった・・・30分間に車は40台しか通らず・・・思わずセンターラインを走ってやった。
しかしトンネルを出た218Kでは、夕暮れの冷たく激しい雨に変わり・・・下り坂を飛ばしたら足マメが潰れて・・・。
手当する避難場所もなく・・・速く走ってないと寒いし。 カバーを着けてもザックが重くなる・・・。
大雨警戒中の消防車に呼び止められたが・・・さくら道ですとだけ言ったら納得してくれた。

 峠を降りた民家で呼び止められた3人のジモティージイチャンバアチャン。
さくら道ネイチャーは毎年応援してるけど・・・独りでは無茶だよ〜と(苦笑)。 お菓子とジュースを持たせてくれた。

 20時に辿り着いた225K城端の町・・・ここまで来れば宿と交通手段はある・・・脱出出来たとホッと出来るポイントである。
コンビニでやっとカッパを買って寒さを免れた。ズブ濡れでは飲食店には入れず、立ってカップ麺を食った。

 富山県福光町にある道の駅232K地点が、最後の休憩地点。
仲間夫人が大雨警報をメールで教えてくれた。彼女はご主人様が超ウルトラランナーなので・・・待っている女房の視点で支え、情報を提供してくれる・・・本当に有難い。
我が家の本物の女房は、亭主が臆病者だと分かっているので心配しないのか・・・(苦笑)
荒天で中止にするか・・・ベンチで寝っ転がりながら回復を1時間待ち、23時に再スタート。

 最後の28Kは、県境の峠17K区間で暗闇が続くのを知ってたが、案の定・・・激しい雨の中で、道路が川みたいに(苦笑)
痛みと朦朧でジンマシン発症・・・(爆) いくら何でも60時間越えちゃったらカッチョ悪いし・・・(苦笑) でも風が弱かったからラッキーでした。
眠気を振り払うために、大きな声で歌ったり、走って来たコースを思い出しながら・・・完踏記を書くために(爆)
乗せてやろうか・・・と車が何台も止まりかけてくれるのだけど・・・。

 やっと見つけた民家の軒下で足マメの手入れ・・・酷くしたら終りになってしまう。 残り僅かだから、足マメの痛みでリタイアする訳にはいかない。しかし、制限時間を気にしないで済むのは、本当に気楽である。土砂降りの中でも座り込んで足マメの手入れ・・・。 無理し過ぎないで、ゆっくり歩いてたお陰で、筋肉痛と故障はあまり見当たらない・・・これもラッキー(苦笑)金沢市内の森本・・・残り7K。 タクシーも流してるからもう怖さはないが、ヘトヘトクタクタ・・・。東山茶屋町の脇を通り、庄川を渡って兼六園へ。
 1500本目の佐藤桜は、兼六園の手入れされた立派な樹々に比べたら、全然目立たないし、ど〜ッてこともない。 しかし、ここが今回のゴール。良二さんの気持ちが伝わって来た・・・太平洋と日本海を繋ぐ桜の天の川。 昭和52年逝去・・・享年48歳。
独りさくら道ゴール・・・16日午前5時36分。260Kは距離の自己ベスト更新。 56時間36分は走った最長時間のベスト更新。 平均時速は4.593キロ・・・最遅速度(笑笑)起きていた72時間のうち、仮眠は30分ずつ3回。体重は・・・直後には2s減ってたけど、今は元どおり・・・(苦笑)長かった・・・本当に長かったですが、やっと終わりました40代最後の夏休み・・・もう終わりかい?(爆)のらりくらり凌げば・・・ツラいことも笑って思い出に出来る。今回のウルトラで学び・・・いや仕事でも学んでますけど(苦笑)
 仲間のみなさんには、本当にご心配をお掛けしました。スタート前に、独りさくら道決行を走り屋の掲示板に投稿したのは、退路を断つためでもありました。臆病者ゆえ、手堅いことしか出来ないのだけど、今回の独りさくら道では、今までの経験で培ったノウハウを駆使できました。やはり、まだまだ走力の足りない自分には、この時期しか さくら道を完踏できる時期はなかったでしょう。
 天候にも恵まれ?いくつものラッキーの結果だと思います。
 たくさんの応援・サポート、本当にありがとうございました。            yokoyan拝